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誰かの夢をかたちにするために

「沼津信用金庫」

鈴木洋平

スズキ ヨウヘイ

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こんなことやってます

​沼津信用金庫 勤務

信用金庫といえば、お金を借りたり預けたりするところ。そんなイメージを持つ人は多いはず。

けれど、沼津信用金庫で働く鈴木さんは、それ以外にも大切な役割がたくさんあるのだと話す。
鈴木さんは、ビジネスマッチングや商談会などを通じて企業同士の橋渡しや販路拡大のサポート役を担う経営支援部という部署に所属している。

 

沼津信用金庫で働きはじめたのは、2015年の4月。
それまでは、信金中央金庫、千葉銀行など都市圏にある大手の金融機関に勤め金融に関する知識を蓄えてきた。
その頃は、自ら選んだ就職先ながらも都会のど真ん中で満員電車に揺られて通勤する自分の姿に違和感を覚え、きっといつかは静岡県に戻るのだろうと感じていた。

転職のタイミングで縁あって沼津信用金庫で働きはじめたが、浜松で生まれ育った鈴木さんにとって、沼津は見知らぬ土地だった。
いざ移住してみると、暮らしている人の大半はここでの生活に特段不便さを感じていないように見えた。
それは言い換えると、人口流出や駅周辺の空洞化に対しても「何とかしなければならない」という危機意識が薄いようにも感じられた。

一方で、かつて商都として栄えていた過去を知る人たちは、口をそろえて「昔はよかった」「今の沼津はだめだ」と不満を漏らす。
沼津出身ではない鈴木さんは「景気がよかった頃の沼津」を知らないけれど、そんな愚痴を耳にするたびに、頭にはある疑問が浮かんだ。

そんな言葉を日常的に聞いている子どもたちは、果たして沼津でずっと暮らしていきたいと思うだろうか。そして、沼津を誇れるだろうか。

やきもきした思いを抱えていたときに、まちのために活動する人たちの存在を知った。

業務の一環として参加したリノベーションスクールで、自分たちの手でまちの未来を変えようと真剣に考える人たちの姿を見て、鈴木さん自身もまた、この沼津のまちづくりに取り組みたいと感じるようになった。

 

「自分が金融マンとしてまちに貢献できることはなんだろう、と考えるようになりました。自分で事業を始める人が増えるほど、きっとまちは元気になる。そうすると、やはり自分にできるのはお金の相談にのること。けれど、それはただお金を貸すという単純な話ではないんです。」

日々の業務の中で常々感じていたことがあった。
それは、すべてを自分で決めたあとにお金だけを借りに信金の窓口を訪れるよりも、もっと早い構想の段階から創業について相談してほしいという思いだった。

「どんな風にすれば経営がうまくいくか、どんな資金繰りの方法があるか、『お金がない』『お金が借りられない』という理由だけで大切な夢を諦めなくてもいいように、金融マンとしてサポートできることはたくさんあります。」
普通に考えればとてもお金を借りられる状態ではないと思っても、クラウドファンディングや出資の提案なども含め、夢を諦めないためのアイデアやツールはたくさんある。

「融資の際に経営計画書を提出してもらうのですが、それだけでは見えないところがたくさんあります。創業の前段階からいっしょに考えていれば、その方がどういうことをやりたいのかという道筋がきちんとわかります。お金の貸し借りだって結局は人と人のあいだに起こること。すべてはコミュニケーションです。」

これからのこと

誰かが夢を叶えるために動き出したとき、お金を貸すこと以外にも力になりたい、と強く感じている。
だからこそ、それをサポートできるよう信金マンとして自分の中にたくさんの引き出しを用意しているのだという。

「資金調達に不安のある個人事業主などの力になれるのは、地域に密着した信用金庫の強み。地域の活性化なくして信用金庫の繁栄はありえません。だからこそ、信金には地域を元気にする義務があると言えるのではないでしょうか。まちと信金は運命共同体ですから。」

信金マンは、誰かの夢を形にする仕事。
夢に向かって走り出す人に伴走するのは楽しい。
そういう鈴木さんもまた、自身の夢に向かって進んでいる。