
コトに合わせて暮らす生き方
建築士
吉川和博
ヨシカワ カズヒロ
こんなことやってます
建築士
沼津と富山を行き来する建築士の吉川さん。
2016年4月、独立し富山で建築設計デザイン事務所をスタートさせた。
吉川さんの生き方は、コトや人に合わせて暮らす場を選んでいた。
18歳の時に沼津を離れ、東京で建築を学んでいた。
2006年、人生の転機のきっかけになる富山市大山地域のイベント出会う。
“LIVING ART in OHYAMA”という木との関係を考えた取り組みだ。
コンセプトに共感をし大学4年生の時からボランティアを始めた。
大学院卒業後、東京の設計事務所で就職をしてからもボランティは続け4年間通うことになる。
就職した東京の会社は規模が大きく自分がやりたいことではなかった。
モヤモヤしている時に出会ったのが学生の頃から参加していたこのイベントの延長上にある取り組み、ウッドブロックプロジェクトだった。
28歳、設計事務所を辞め富山へ。
富山市が進めていた期間限定のウッドブロックプロジェクトのメンバーとなり、富山の家具工房を使わせてもらいながらかんながけなど職人の指導のもとブロッグを製作。
プロジェクトのための市の予算は一年間。
しかし、この時間だけでは中途半端。ブロックを作ったけど、それを活かすのはこれからだった。
プロジェクトの産物は建築のインテリアとして使うことの可能性が出てきていた。
富山に残り、塾の講師や設計事務所の手伝いをしながらこのプロジェクトをボランティアで手伝うことにした。
なぜそこまですることができたのか?
このプロジェクトの思想は本質的で、きっと頑張ったら違う道が見えてくる。
この取り組みを通じて、吉川さんは手を動かしながら設計をする建築技術を身につけていった。
地方でやる楽しさ。
手を上げて一歩踏み出し行動すれば、いろいろと動き出す可能性が高い。
そしてお金がをかけずに進められる。
都会より小さなエネルギーで、じっくり考え答えを見つけていく。
そうすると本質的なものの芯が見えてくるような気がする。
富山に移住し3年目に結婚。
そして3年勤めた会社を辞め建築デザイナーとして独立し富山を拠点に動くことに。
起業のタイミングで沼津市役所の先輩が、沼津で行われるリノベーションまちづくりの講演さそってくれた。リノベーションのパイオニア建築家の大島さんの講演だった。
ワクワクすることが始まりそうだと思い、この沼津市の取り組みに富山から通いながら参加していくことになる。




これからのこと
地元から15年離れ、ひさしぶりにじっくり沼津と向き合ってみた。
正直、根本的な革新を何もやらなかったんだな。
そして、動きにくさとか。
それぞれの立場の人たちがリスクを取り合おうっていう風潮がなく枠組みの中で動こうとする。
設計をやっていて思うのが、規制の壁、今までやってなかったからダメだからそれはできないという現状。
でも、やりたいことをカタチにするのはやり方はいろいろある。
結婚して動きやすくなった。
月1回は沼津にかえりたい。
そのためには仕事をつくりたい。
沼津では仲見世とかの街のエリアを使って、子供達が成長する空間をを手伝ってみたいそうだ。
外からもってきて、ではなくあるものを活かす。
単発的ではなく10年後、20年後を見据えて。
コトの本質がふわっと広がっていく地方らしさ。
吉川さんは界線を越えて、固定概念を越えて、柔軟性をもってコトの本質をカタチにしていくのであろう。
〈連絡先〉
〒930-1281
富山県富山市東福沢1456
アートスペースVEGA内
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