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蔵の古民家でカフェを

「ひねもすカフェ」

近藤洋子

ゴトウ ヨウコ

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こんなことやってます

「ひねもすカフェ」店主

沼津駅から港の方へ歩いて行く。
スルガ銀行本店の裏路地を入ってくと蔵があり、
ひねもすカフェがある。

店の前には野菜が干してあったり、
外壁にはイラスト。
ただならぬ雰囲気を醸し出している。

懐かしい引き戸をを開けるとカウンター。

そして大きな階段がある。

オーナーの近藤さんにお話を伺った。
もともと出身は東京。
東京の出来ては潰れる店たち。
入れ替わりの激しいエキサイティングな街も好きだったけど
疲れも覚えていた。
そんな中、山中湖で冥想会に参加。
その経験がその後の近藤さんの運命を変える。

東京を出たいなと思うようになり
山中湖に行こうかと思った。
・・・が、寒さが苦手なのでどうしようかなと思っていた時、
昔、父親の出張などで旅行に来たことがあった沼津に仕事を見つけた。
そういう経緯で馴染みもある沼津に移住することに。

馴染みはあったとはいえ、知り合いはいない。
本当は山中湖に住んでみたかったので
最初は沼津に対してはなんだか中途半端な地方都市だな~と思っていたそう。
だが、暮すにつれ、狩野川や牛臥が本当に綺麗なことに気付き今では好きな場所に変わった。

昔から、“はまる場所”つまり居心地のいい場所を探すのが癖だった近藤さん。
小学生のころは図書室とか屋上とか。
そのうち、レストランのあの角の席がいいとか、カフェとかを探すように。
そして“自分で作っちゃえばいいじゃん!”と思ったそう。

移住して働いているとき、いつかカフェがやりたいと思ってる夢を
陶芸教室の内村先生に話したところ“今やればいいじゃん”と言われ本当に実行することに。

お金はないし、ノウハウもない。半ば強引に行き当たりばったりでスタート。
ただ、場所は目を付けていた。
毎日の通勤路でなんだか気になっていた場所。そう、この蔵だ。
元々お店だったそうで、2階は住居だったそう。
色々と改装の打合せをしていた時に、近藤さんの夢を応援する人がまわりに集まりはじめた。

自分たちで改装することにした。
みんなで作りながら、塗りながら、ライブ感あふれる改装。
それは店舗のところどころに表れている。
天井をはがすと立派な梁がでてきて、そのまま活かそう。とか
ちょっとアンティークっぽくするために加工してみたりなどなど。
こっちの方がかっこいいからとトイレは塗るのを途中でやめる。

蔵は自分の手で改装することによって
愛着のある、居心地の良い空間へと変わっていく。

この“居心地の良い空間”がひねもすカフェのキーワードになっている。

ひねもすカフェの2階には畳とコタツがある。
おばあちゃんちに来たようなゆるく暖かい空気が流れている。
思わず足をのばして寝転んでしまいそう。

このコタツで勉強する高校生もいる。

個人的には真ん中にある壁を向いた席も好きだ。
現実からちょっと違う場所に来たように自分だけの世界に入ることができる。

ちょっとレトロな道具一つ一つにもこだわりがある。
それは決まったルールではなく不揃いだけどなんとなく調和する“居心地”が。

近藤さんは精神科のソーシャルワーカーだった。
精神に障がいのある人が普通に過ごせる場もなんとなく作りたかったそうだ。
突然 笑い出す人がいたら、普通の社会そしてカフェは“障害”という括りで避けてしまうけど、そんな人もここでは受け入れられる。

ひねもすカフェでは カオスな場であると近藤さんは言う。
毎日、毎日が劇場。

お店を作っているときは楽しかった。
作ってしまったら、お店という空間は意思をもって成長していく。
だから近藤さんも一緒に、この場を楽しむ。

近藤さんは愛犬テスと自宅からお店まで歩いて通う。
地元の人しか行かない我入道海岸や狩野川からの風景をSNSのインスタグラムで記録する。

「沼津に住む多くの人は、ここには何もないと言うけれど
ここの場所ってすごく豊じゃん。
なんでこの環境にもっとドキドキしないんだろう?」

何気ない日常を撮影していると
沼津の人は
“なんでこの雰囲気がいいの?”
との反応。

でもその風景を都会のひとたちが“素晴らしい!”という反応を知ると
沼津の人はやはり喜ぶそうだ。

ないものはない。
ここにある、さびれ感がいい。

現実を楽しむ。

これからのこと

「このコタツで勉強してくれた高校生には、ここで過ごした確かな現実を思い出に残して欲しい。
その記憶がいつか心地のいい時間の思い出の一部として沼津に戻ってくるきっかけになれたら嬉しい。
それも、カフェの役割なのかも・・・。」

〈連絡先〉

ひねもすカフェ
沼津市魚町20地
TLE 055−951−7812
http://www.geocities.jp/hinemoscafe/