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三軒茶屋から沼津へ

「Baker's Dozen」

塩川雅也

シオカワ マサヤ

    こんなことやってます

    イタリア料理店「Baker's Dozen」オーナーシェフ

    「ハレと日常の中間のようなお店を目指しています。」

    沼津駅南口から徒歩で7分、沼津銀座の入口にイタリア料理店『Baker's Dozen』が2017年にオープンした。丁寧に作られる港町ならではの料理に加えドルチェ、手作りパンそしてワインなどを気軽に楽しんでもらえるレストランだ。
    オーナーシェフである塩川雅也さんは沼津市出身。パティシエ・シェフとして東京の三軒茶屋でお店を構えていたが、ビルの取り壊しを機に家族で移住、沼津で移転オープンすることとなった。

    20代前半、下北沢にある洋菓子店に修行に入った塩川さん。
    その当時から料理、また飲食店に興味があり、夜間の菓子製造の学校や休みの日にワークショップ等を見つけ自分で勉強し、4年の洋菓子店勤務ののちイタリア料理の世界へと入っていった。

    お菓子は正確度や再現性が重視される分野。計量で1g、水分量も1%違ってもだめだという。
    精密性の高いお菓子作りもすごく楽しい分野ではあった。
    それとは別に、“ノリで作る料理”、その時のパッションでお皿をつくり上げていく感覚をイタリア料理に感じ、とにかく楽しめるのはこれだと感じた。
    その後は、イタリア料理店のシェフやイタリアンバールの立ち上げ、運営をなども手がけた。
    イタリアベネチアでパティシエの仕事のお声がかかり行くことを決めていたが、ちょうど子どもが出来た時期と重なり辞退することとなった。
    これからどうしようかと迷っていた時期にたまたま歩いていた三軒茶屋で空き物件と出会いトントン拍子で自分のお店を持つこととなった。
    ビルが取り壊しなるまで丸三年。お客さんもついてきていたので安定を考え都内で物件を探し始めていた。
    そんな時、たまたまデザインの仕事をしてる奥さんに“ぬまづのリノベ”という冊子を作る依頼があり、塩川さんはアテンドして取材に同行した。いつかは沼津に戻ろうと強く思い東京で生活をしていたが、タイミングはなかなか巡ってこなかった。しかし、取材を進めるうち“やっぱり自分は沼津に戻って来たいんだな”と感じていった。
    「18歳から沼津を離れていたから、沼津で商いをして生活してる人のお話をしっかりとまじめに聞くってあんまりないじゃないですか。すごいそれがよかったですね。沼津で働き暮らすことの現実というか、自分の夢を目指してやってる人たちの生の声を聞けて、沼津へ移住しここで出店することの後押しになりました。」
    その後本格的に沼津で物件を探し、今の店舗に巡り会った。
    「パッと見たときにこのエリアって結構味わいがあるじゃないですか。この奥は沼津銀座で、なかなかディープな場所。その入口の角地だからこのエリアの顔を作れる。なんか、しっかりと街の一部になれるような気がしたんです。」

    漆喰で塗られた壁に小さな窓が3つ。内装もプロにおまかせするだけでなく自分たちでも手を動かし作ったそう。
    いつお店が出来るのか待ち望む街の人たち。
    そしてグランドオープン。

    かつて三軒茶屋でスタッフだったメンバーも移住を決めて一緒に働くことになった。仲間も増えていった。

    開店をすると美味しさとボリューム、センスで一気に人気店になった。ふらっと入りやすく、日常使いをしたくなるお店。

    これからのこと

    周辺のお店は「Baker's Dozen」の新風に刺激されて、クオリティーの高さをより意識する所が増えた。

    一つの店が街の風景を変えていく。
     

    〈連絡先〉


    Baker's Dozen

    沼津市 町方町9−1
    https://www.bakers-dozen.jp