© 2018 numazu-research

この土地を大切に、そして革新を

「cafe NORA」

今井風多

イマイ フウタ

  • Facebook - Black Circle

こんなことやってます

内浦「cafe NORA」店主

東京から家族で内浦に移住をし、古民家でNORAというカフェを営んでいる。

この春には3人目の子供が内浦で生まれた。

 

今井さん一家が以前住んでいたのは東京の谷中。

都心の真ん中でありながら人のつながりも大切にし、独自の雰囲気を持つ下町だ。

中学・高校時代は自主性を大切にした校風の学校で過ごした。

テストは無く体育祭や修学旅行もやるかやらないかさえ自分たちで決めるという。

「学生時代の経験がすごい面白かったのね。そのときに色々やらせてもらったから今でも主体的。言われてやるより自分でやりたいという思いが強い。」

そのころの経験が今に至る。

25歳から都内の自然食品店で働き、1年足らずで店長になった。

「泥つきの大根や人参を売ってるっていうのが、きれいなものを買うような世界観のなかで、そこにメッセージあるなって思う。」

都会のど真ん中で自然食を売る。自然に寄り添うライフスタイルを大切にしていた。

谷中の生活は気の合う仲間たちがいて、長女が生まれた時も“怪我と弁当自分持ち”とスローガンを掲げ自主保育を始めるほど。

仕事も生活環境も十分で、“移住”なんて少しも考えない暮らしだった。

それでも地方移住を考えたきっかけになったのは東日本大震災だった。

当時、職場の目の前の大きなビルが揺れ、都会の機能は麻痺。さらに原発放射能の問題もあり数日間子どもたちは外で遊ぶことも出来なくなった。

職場でも野菜等の流通への打撃を目の当たりにした。

「このままここにいてよいのだろうか?」

谷中の仲間たちもまた同じ思いで、その後全国各地へ移住していった。

たまたま勤めていた会社の創業者の所有物件が西浦にあり、住み手がいないので住まないかという話が上がり、とりあえず行こうと決断した。

仕事で、色々な地域の生産者を取材し冊子をつくっていたので、西浦の土地のことも知っていた。

移住後、知人の古民家を引き継ぐことになり、飲食店は未経験だったがカフェを開業することになった。心地よい空気が流れる店内も大半をDIYした。

“地方移住”で気になるのは、どうやってその地域に入り込んでいくかということだ。

村である“西浦地区”に自然に入り込んでいるように見えた今井さん一家だが、もちろん最初から、そして今も簡単に好き勝手に暮らしている訳ではない。

引っ越してくる時は村の総会で挨拶をし、村役や消防団、PTA役員、主婦の会なども引受けた。すぐに入ることになった消防団では神楽にも挑戦。

縦社会のない生活を送ってきた今井さんにとっては大変なことも多かった。

でもまずそこにあるものを理解しようとして、自分の出来る範囲でより良くしていく努力をした。

神楽は伝承が難しくなっていき、観客も少ない状況にある。良い伝統を残していくために記録ビデオを残すことにした。知人の映像作家に声をかけドキュメンタリーとして1年をかけて撮影をしている。

海と山がある自然豊かな地域に色々な感性が集まることで、また新しい文化が出来てくる気がした。

東京から車で2時間の自然豊かな地域のポテンシャルは高い。

これからのこと

今後やってみたいのは地域のハローワーク。

「みかんのシーズンに、ここ人が足りてませんとか、結構あると思うんだよね。ゲストハウスも計画してるよ!」

得意分野は“人と人をつなぐこと”。

「ここへ来て友達が増えたから、こういう人紹介できるよとかっていうのはできちゃう。電気屋さん、水道屋さん、大工さん・・いろいろな友達がいる。地方にも東京ほど人数がいるわけではないけれど面白い人たちがいっぱいいる。」

都会ではたくさんの人がいてすぐ人に会える。田舎にはそれが少なくても距離感が近い。

少し億劫に感じてしまいそうな人間関係も、じっくりと土地に根付くおもしろさを感じる。

〈連絡先〉

 

cafe NORA
静岡県沼津市内浦長浜121
tel: 055-919-0684
https://www.facebook.com/nora831/?fref=ts